高専とはどんなところか?

私は高専を3年で辞めたのですが、高専とはどんなところかを説明します。

①入試
中学3年の1学期ごろに進路を書く紙を書けと言われたので、地元の普通高校と当時仲の良かったYさんが書いていた高専の名前を書いたのが始めての高専との出会いでした。その後、2学期か夏休みくらいの時期に見学があったので、校舎の見学に行きました。当時は校舎が新築でとてもキレイな建物でした。
2学期になると、だいたい進路が決まると思うのですが、私は周りに比べて決めるのが遅かったです。中学2年生の時は、とても学校嫌いでした。よくサボってゲーセンいったり、学校に行くふりして家に帰ったりしてたので、塾で勉強していた英語と数学以外の教科は通信簿が良くありませんでした。
特に何がしたいということもなかったのですが、普通科の高校に行くことには抵抗がありました。ハッキリいうと、私が中学校が嫌いでした。授業が易しすぎたことと画一的な方にはめた学校教育が吐きそうなくらい気持ち悪かったので、普通高校に行った場合またそれを3年間続けるのか、ということを危惧していました。
高専は結構難易度が高く、私が受けた学科で倍率が5.5倍でした(低いところで、2倍くらいだった。当時は情報系の人気が高く、機械が不人気だった。)
中学の授業をよくバックれていたので、内申点はあまり良くなかったはずです。家から通える高専は2校ありましたが、交通の便と校舎が新築であることと入試の教科が国英数の3教科であることを重視してどちらに行くかを選びました。
正規ルートで受験したことないので、偏差値とかよくわからないのですが、偏差値は高いらしいです。クラスで成績が上位5%くらいです。たぶん、内申点が悪かったことを考えると、試験を重要視しているのだと思われます。入試は8割以上はできたように思う。特に数学は全部解けました。

②交通
家からは電車と徒歩で1時間半、通勤時間がやたら長かったですが、その間はテスト期間中はよく勉強していました。途中で繁華街を経由したので、帰りによく寄り道をしていました。当時できたばかりの大型書店が全ての本で立ち読みし放題だったので、よく立ち読みしました。

③カリキュラム
授業の内容はよく言われるように実学中心です。工学系の教科が多いです。普通高校は行ったことがないので、推測になりますが、一般教科のコマ数は普通高校より少ないです。
高専普通科の高校との大きな違いが足切り点のハードルの高さです。
高専では年平均点が55点以下だとその教科の単位を落とすことになります。課題や授業への積極的な参加でちょこちょこ点をもらえたりするので、必ずしも試験で55点以下だとヤバイわけではありません。ただし、工学系の教科というのは積み重ねが大切なので、つまづいてしまうと後々に取り返そうとしてもかなりシンドいです。(私は体験したことはありませんが、落第した人たちは多くが最初からつまづいていた。)だから、わからないことは周りの同級生や教官に教えてもらわないとすごい痛い目に会います。ちなみに毎年30人クラスで1,2人は留年していました。5年間で25%はいなくなります。
反面、高専の教育の悪いところは工学系以外の授業がショボいことです。時間数が少ないだけでなく、内容もショボいです。特に英語、歴史、地理は全く持って役に立たないレベルです。今の技術者は海外で活躍する機会も多いので、英語や世界史などは必須だと思います。(あくまでも当時の話ですが、最近の卒業生に聞いても変わりないようです。)
教官は教育熱心で優しい方が多かったです。授業外の時間にわからないことをよく聞きに行きましたが、どの教官も親切に教えてくださいました。アカデミックとしてものんびりしているのでしょうね。

④学校生活
学校生活での特徴は5年間同じクラスであることです。学科ごとにクラスが決まっているので、5年間同じメンツで過ごすことになります。
1年生の時は普通にクラスに馴染んでいたような気もしますが、2年生くらいの時にいつのまにかクラスに形成されるグループに入ることもなかったので、ボッチになりました。
普段の授業の時やテスト前とかは交流がありますが、放課後に遊びに行ったりするグループからは完全に無視されてたように思います。
原因を考えると、地元くくりで、いくつかのグループができていたのですが、私はそのグループとは全然地元が違った。その場合自分からどこかに入れてもらうように下手にでないと入れてもらえなかったのでしょうが、派閥とかグループとかどうでも良かったので放置していたからだと思います。
同じ中学校の同級生や近所の自転車屋に集まるロクデナシのおっさん達とよく遊んでいたので、不自由はなかったですが、昔からマイノリティでした。
ただし、この当時に同級生と付き合わず、大人の話をよく聞いていたことはいい経験だったように思います。

⑤費用
学費は年に30万くらいでした。教科書代は別に年に2万円。
他に定期代が月に15000円。(経路検索サイトで検索しました)
合計すると、年に48万円の費用が家計にかかってました。
私の兄妹は二人とも私立なので、たぶん彼らに比べると3分の1から4分の1ほどの費用で済んだと思います。
高専は卒業後の就職もしやすいので、コストパフォーマンスは高いです。貧しい家庭の子弟は高専に行くことをオススメします。

⑥卒業後の進路
高専は5年制です。卒業後に編入という形で一般大学の工学部に潜り込めます。
私がいた高専では、クラスで1〜3位が国立大学、4位〜10位が技大、私大(長岡技科大学などの技科大学、高専の卒業生専用大学のようなところである)10位より下は就職します。
卒業して何年か後に聞いたのですが、就職率は100%に近いです。専門の学科に関係する企業以外からも求人があります。真面目で汚れを知らぬ高専生は人気があるそうです。
成績が良くなくても、高専には専攻科という大学もどきのシステムがあります。成績が10位以下の人でも就職せずに勉強がしたいという人たちは専攻科で勉強ができます。

⑦なぜ3年生で辞めたのか?
私が3年で高専を辞めたのは自分が高専を卒業して技術者とやらになる将来に不安を覚えたからです。
高専は技術者育成機関ですが、ロウワー〜ロウワーミドルクラスの技術者です。
だから実践的なことを教えますが、応用を効かせるための基礎的なことがないがしろになっています。
工学の教科の試験も授業で教えた内容を普通に勉強すれば、全て解けるレベルです。テストがすごい簡単だったので、おそらくこの授業と試験では大した技術者になれない。たぶん、大卒の技術者の下で支持されて動く、ブルーカラー技術者を育成する機関なのだろうと当時思いました。
後日、製造業で働いていた時に高専出身の方々が同じ部署にいましたが、
⑴英語ができない。
⑵応用が効かない。
⑶教養がない。
と私が指摘する高専卒業生の悪いところを持っている方々がほとんどです。習ったこと、説明書に書かれていることはできるが、自分で考えて新しいことをやることはできない人たちです。

加えて、3年生の9月ごろに9.11テロがありました。その時はテスト期間中で、次の日のテストのために勉強していたところ、父と妹の大声が聞こえ、テレビをつけろというので、テレビを見ると、WBSWTCが煙を出すシーンが流れていました。まあその後もう一機の飛行機が激突して、崩壊するまで釘付けだったんですけど、次の日にこれはヤバイことが起こったぞという気持ちで高専に行ったのですが、教官を含めて誰一人としてそう感じていないことに驚きました。こんなヤバイことが起こっているのにテレビの向こう側の出来事としてしか感じれない人にひどくギャップを感じました。
昔から祖父より戦争の話を繰り返し聞かされていたので、戦争というものに興味があったこともあります。当時は日本は失われた10年と言われていた時代ですので、その閉塞感は戦争を忘れたことにあるのじゃないかという風に考えたので、自衛隊に行きたいと思いました。その後、自衛隊の大学機関である防衛大学校に進学するのですが、その話は次回にします。

⑧まとめ
高専の特徴は
⑴費用が安い
⑵就職しやすい。
⑶留年のハードルが高い
⑷下っぱ技術者育成機関である。
⑸5年間同じクラスなので、飽きる。

以上の5点です。

そんなに頭は良くないけど、勉強を長時間していい成績を出すそこそこ秀才タイプの方は非常に高専が向いていると思います。応用が効かない頭の固い技術者ですが、企業から見たら、現場監督としては非常に有能なんだと思います。だから、就職率も高いんでしょう。
反面、地頭がある程度いい人からすると物足りないところです。基礎教科が中途半端な状態で実践的な工学を教えるので習ったことができても、自分で足りないところを学習するには基礎学力不足になると思います。
それに教養や歴史、地理、英語などの教科はしょぼいので、海外で活躍する技術者になることはできません。(活躍できない技術者にはなれます)
日本から海外に工場はどんどん移転していくので、国内に仕事が無くなることは十分に考えられるので、現役の高専生は少なくとも英語の勉強を自主的にやっておいた方がいいです。