経済感覚の違い

コロンビアで生活していると、経済感覚の違いを感じます。

コロンビア人の友達は毎月の収入が3万円なのですが、炉端焼きの牛串が150円で売っていると、「安い!買おう」と言って、すぐに買おうとします。確かに日本人の私から見ると、ペットボトルのジュースと同じ価格で100g弱の牛串が売っていることは安く感じます。でも、コロンビア人の彼の収入に対する割合からすると、毎月の給料✳︎0.5%=牛串一本に相当します。これは日本で毎月の手取り14万円の若者にとっての700円に相当します。150円だと安いけど、現地感覚で700円だと普通に高いです。労働時間に換算すると、牛串一本を食べるために最低1時間の労働時間が必要になります。 1時間汗水たらして、ハイ牛串1本ねwって渡されたらどうでしょう?働く気がなくなりますよ。
彼はソニーのXperia z1を所持しており、値段を聞くと5万円したそうです。お金貯めてたのかなーと思ったのですが、どうやら従兄弟から借金をして、スマホを購入しました。じゃあ、そのスマホで何をするかっていうと、フリーのWifiがあるところでLINEです。それ以外にはゲームとカメラで写真をとったり、Facebookしたりしています。日本のスマホ中毒と全く一緒ですね。

また、別のコロンビア人家庭のケースですが、ロウワーミドルクラスの収入(3万円〜5万円)の家庭で、公共サービス料金(電気、ガス、上下水道、夜の街灯)が16000円で、家賃が25000円、インターネットが月2000円の支払いがあります。残るのは月ー13000円〜7000円だけです。コロンビアなので、月に7000円でも食費は問題がないですが、これでは貯蓄に回すだけの余裕はありません。どうみても公共料金の16000円と家賃は収入に対して高い負担です。
実際、ここの家庭の普段の生活は主食がクラッカーで、昼、晩の2食です。週に1回か2回ほどスープのような煮込み料理を作りますが、それ以外はクラッカーにチーズを載せるかバターを載せるかの選択肢しかありません。そのためか、15歳の男の子でも既に肥満の兆候が出ています。
彼らはいろんな意味で貧しい食生活ですが、まとまったお金が手に入ると気前がよくなりジュースや外食をおごってくれたりします。

二つのケースに遭遇して、私が思ったことは、どちらのコロンビア人も収入に対して、不相応な生活をしているということです。日本語でいうところの「見栄っ張り」。収入が低いなら、普通の携帯電話でラジオでも聞いたり、ちっこい画面で落ちゲーやればいいんですよ。インターネットでFacebookyoutube、LINEで時間を浪費するくらいなら、月に2000円かけてインターネット契約する必要なんてないんです。

私は比較的裕福な家庭に育った、関西でいうところのボンボンなのですが、どうも小学校3年までは他の家に比べて、貧しいくらしだったように記憶しています。
小学校3年の時まで、私の実家では、外食は株主優待券で月1回ファミレス、家族旅行はミニバンで近場、テレビ・ゲームはないという生活でした。同じアパートメントの同じ回に住む幼なじの家庭では、平日の夕方に遊びに行くと専業主婦のお母さんがお菓子とお茶を出してくれたり、テレビ・ゲームがあったり、宮崎や沖縄に旅行したりしていました。幼かった私はウチは貧しいのだと思っていました。しかし、小学3年以降になると毎年家族で海外旅行をしたり、月に2回はファミレスではなく近所の割高なグルメな店に連れて行ってくれたりする生活に変わりました。この小学校3年生の時に何があったかというと、2つのターニングポイントがあった。一つは私が妹の世話をしていたので、地方公務員の母がフルタイムで働けたということ。もう一つが、80年代中ばに始まり、90年代の初めに終わったバブルの崩壊です。
今だから言えることですが、私の両親はバブル期のフィーバーしていたころにテレビや周りに踊らされるて、高い旅行に行ったり、高い不動産を買ったり、していなかった。バブル期に逆に稼ぐ方に力を入れていた。
バブルの時に蓄えていたので、バブル崩壊後にHISが海外旅行を安くした時には、毎年海外旅行に行くことができたし、不動産も阪神大震災後に安くなった土地を買って家を建てることができた。

バブルの華やかな時代には「不動産価格は上がり続けると言われて、高いマンションを35年ローンで買った話」や「ボーナスがたくさんでたので、ボーナス全部使って海外旅行に行った話」なんかもあったのだと思う。周りはそんな浮かれた話をしている中で、消費をしなかった私の両親はすごく先が読めていた。

ウチの両親はケチではない。小3から毎シーズン海外旅行に行ったり(今は高齢なので、近場の温泉めぐりになった。)、別に住んでいる子供が実家によると高い肉でしゃぶしゃぶやすき焼きをふるまってくれる(閉店間際の割引シール付き)、私以外の子供は中高大学と全て私立だ。兄と妹の教育に使った金額は合計で5000万円くらいにはなる。


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コロンビア人の生活と私の両親の生活を比べてみると、大事なことが見えてくる。
それは「収入にあった生活水準の生活をしましょう」ってことだ。
低収入なのに近所、友達への見栄のために電化製品をいっぱい持っていたり、高い電気代を払ったりはせず、低収入なら慎ましく生きればいい。だれも、「低収入だけど気前がいいこの人は器の大きな人だ」なんて思っちゃくれない。顔には出さないけど「貧乏なのに背伸びしてんじゃねーよ、バーカ」と思っている。
テレビのCMやテレビ番組で紹介された物が欲しいから買わない方がいいのだ。その「欲しい」という気持ちは外部刺激によって作られた「消費意欲」である。つまり、「踊らされている」ってことだ。
そうではなく自分がやりたいことにお金を集中するべきだ。内部からの意欲によって、お金を自分や自分の家族の幸せのために使うべきなのだ。

余談だが、iPhoneが出た時はすぐに購入した私だが今ではiPhone4をバッテリーを交換して、大事に使っている。SIMフリーじゃないのでコロンビアで電話にはならないが、どう考えても、スマフォに5万円も使う気がしないのだ。ちょっとは両親のように踊らされない人間に近づいているなと思う。